2014年度第51回ラグビー大学選手権セカンドステージ第2戦、同志社対早稲田戦は、同志社の健闘が光りました。
同志社は前の試合、東海戦をノートライにおさえられ、完敗といっていい内容でした。
今大会、ベスト4を狙える早稲田だけにこの試合もいいところなく敗れるという予想を立てていました。
しかし、序盤から同志社の攻撃が思いのほか機能します。
早稲田は司令塔のSO小倉順平が怪我のため欠場と戦力ダウンは否めませんが同志社苦戦するとは思っていなかったでしょう。
前半は7-10と同志社がわずかにリードされますが内容はほぼ互角でした。
後半は地力に勝る早稲田に、前回の東海戦同様突き放されると思われましたが、早稲田相手に一歩も譲らない攻防が続きます。
後半10分にWTB松井千士がトライし、12-10と逆転します。この後のコンバージョンは簡単な角度ではありませんでしたが、正確なキックを誇る渡邉夏燦であれば十分決められると思われました。
しかし、あえなく失敗。
結局この2点が、後々響いてきます。
その後早稲田がWTB荻野岳志が同志社ディフェンスのすきを突き独走のトライを決め再び逆転、12-15とします。
さらに、1年生SO横山陽介がペナルティゴールを決め、18-12と突き放します。
しかし、同社はここから粘りをみせます。
連続攻撃を仕掛け、ゴール直前まで迫ります。
すると38分、早稲田陣内ゴール付近からのラインアウトから主将のFL田慎理淵が押し込みます。
17-18と1点差に詰め寄ります。
しかし、ゴールポスト中央からは離れており、簡単なコンバージョンキックではありません。
渡邉夏燦はすでに交代しており、キッカーはWTB宮島裕之。
宮島はライン際を鋭く走り切るランナーであり、左足のロングキックが魅力の選手です。ただ、好不調の波が大きく、ボールをうまく捉えられずにひっかけるようなキックもよく見られます。
決めれば逆転、外せば敗戦が濃厚となる緊張を強いられるプレーです。
のちに意外に冷静だったと振り返ったコンバージョンキックでしたが、蹴った瞬間ボールは大きく右に逸れていき、失敗キックということがわかりました。
時間はまだ残っていましたが、結局そのままノーサイド。
十分勝つチャンスがあった試合を落としてしまいました。
僅差での敗戦再びです。
なんでこんなに勝負弱いのでしょう?
この試合、ファイナルステージに進むために最初から4トライ以上とることをチームでの決め事にしていたということです。
準決勝に進出することを第一目標にすることは理解できます。
しかし、東海にもフィジカルの差を見せつけられ敗れています。
今季帝京から勝利をあげることがほぼ不可能なのは誰が見ても明らかです。仮に準決勝に進出しても、おそらくはそれ以上の結果は望めないでしょう。
そうであれば、目の前の試合にまず勝つことを大地の目標にするべきだったのではないでしょうか。
前半、早稲田とフィジカルの差を感じさせない戦いができていまたが、そう簡単にトライを奪えないことは理解できたはずです。
後半はトライを狙いに行くのではなく、手堅くペナルティゴールを狙き、勝つことに焦点を変更してもよかったと思います。
関西の大学はこのあたりの軌道修正が上手くないと感じます。
関東の強豪大学は相手に合わせて戦術を巧みに変えてきますが、関西のチームは自分たちのカラーにこだわるあまり、力を出せないことが多いように思います。
これは関東と関西の気質の違いなのかもしれません。
後半は同志社が押し気味に進めながらも結局早稲田に勝てませんでした。
得点は取れるときにとっておくというのは、ゲームであれば当然の選択ですが今回はこれを選択せずに敗れています。
来季、スクラム同様ラインアウトの重要性を再認識してほしいです。
そして、手堅く、得点が取れるときにはしっかりとることは勝つためには不可欠な要素です。
もちろん、こんなことを書くまでもなく、十分承知していることでしょう。
しかし、今後は勝てる試合を落とすようなことはなくしてほしいです。