2017年も春シーズンがスタートしました。シーズン初戦の慶応戦は40失点するも55点を取り何とか勝利をものにすることができました。

今回は2017年度に入学する新入生を見ていきたいと思います。

昨年12月に発表されている推薦入学予定者11名です。

岩谷 知忠 東福岡 PR・HO 168センチ 100キロ
畠中 輝  東福岡 PR 177センチ 100キロ

文 裕徹 大阪朝鮮 PR 177センチ 100キロ

井本 智之 筑紫 HO 170センチ 95キロ

大熊 陽介 国学院栃木 FL 181センチ 85キロ

斉藤 響 福岡工業大付属城東 NO8 176センチ 88キロ

ファイアラガ望サムエル 常翔学園 NO8 175センチ 93キロ

田中晴太郎 長崎北陽台 NO8 177センチ 87キロ

人羅 奎太郎 東海大仰星 SH 164センチ 70キロ
山本 裕貴 東海大仰星 SO 171センチ 80キロ
西口 雄翔 東海大仰星 WTB 169センチ 75キロ


11名中FWが8名、BKは3名です。明らかにFW重視の選抜です。

昨シーズンの同志社はフィジカル面に課題を抱えていました。
特にFWでは帝京、東海はもとより、長年FWに課題を抱えている天理にも後れを取っていました。

実際、関西リーグ最終戦には天理に敗れ、大学選手権準決勝では東海大相手にFW戦で歯が立たずに大敗しています。
BK陣はここ数年大学トップクラスの選手層を誇るだけに、ベスト4以上を狙うにはFWの強化を避けて通ることはできません。

帝京、東海、流通経済などは、大学側がトップリーグ並みの全面的なサポートを提供し、戦術やスキルだけでなくコンタクトスポーツであるラグビーの基礎となる強い身体づくりも積極的に支援しています。

選手の身体能力がそれほど変わらないのであれば、ラグビーの強さの源泉である基礎的なフィジカルの強さがチームの強さに直結することはいいうまでもありません。

明治や法政が世代の有力選手を多く抱えているにもかかわらず、なかなか結果を出せないのはラグビーのベースとなる基本的な身体作りが上手くいっていないのかもしれません。
世代屈指の逸材が揃う筑波も安定して力が発揮できないのも寮がなく生活が個人の裁量に任されていることも要因として考えられると思います。


同志社はどうでしょう。
帝京や東海のように大学側が、ラグビーの競技力向上のための身体作りも含めた全面的なバックアップが期待できるでしょうか。

おそらく難しいでしょう。

そうなると自ずと答えは限られてきます。
短絡的といわれるかもしれませんが、基礎体力に優れる身体の強い選手を獲得することです。

高校日本代表候補などの有力選手の獲得に成功しているという点で帝京、明治が抜けているということに異論を唱える人はおそらくいないでしょう。

次に筑波、東海、法政あたりが続きそうです。昨年あたりから有力選手を再び獲得し始めた早稲田もこのあたりに入ってくるかもしれません。

同志社は有力選手の獲得という点ではこの次くらいに位置づけられるでしょうか。慶應や中央、天理、大東文化、流通経済なども同じような状況だと思います。

もともと優れた素材を持った選手を数年かけて体重を増やし、FWなら100キロ超、BKでも90キロ前後の選手が普通にいる帝京や東海対し、10キロ程度軽い同志社がスピードの優位性やゲーム戦術だけ互角に立ち向かうことはかなり困難でしょう。

帝京や東海の選手は体重が重くなってもそれほどパフォーマンスが落ちていません。
通常は体重が重くなれば、それに伴い運動による疲労度も増加することから高いパフォーマンスを持続させることは容易ではありません。
このあたりの競技能力の維持という点でも帝京や東海は綿密に計算しながら強化をしているのだと推測できます。

計画的に身体づくりをすることが難しいのであれば、100キロ程度の重たい身体を容易に操ることのできる頑健な骨格をもった選手を獲得することは強化のための有力な選択肢になってくるでしょう。

その点、今回の推薦での入学予定者は、このあたりに多少なりとも焦点を当てているのかもしれません。

次回は新入生にスポットを当てます。