2016年度のSHはやはり大越元気選手でしょう。
1年時からAチームでプレーし、トップリーグのトヨタ自動車に進んだ岩村昂太凌ぎを削ってきましたが、昨シーズン途中からは先発としてチームに活力を与えていました。

彼の魅力は何といっても高速のパスさばきです。
かつてのSHは165センチに満たないような小柄な選手も多く活躍していましたが、近年は170センチ程度の選手が増えてきています。大型SHの岩村選手は180センチあり、彼と比べるとその小ささが際立っていました。

そういう状況の中、大越選手は162センチという小さな体で奮闘し、同志社の攻撃を支えています。
ラグビーは激しいコンタクトを伴うスポーツですが、SHは比較的それが少ないポジションです。それでも最近はSHによる仕掛けも一つの攻撃オプションになっており、自ずとコンタクトも増えてきています。

コンタクトという点では体の小ささはどうしても不利に働いてしまいますが、それを補って余りある働きをしています。

また、比較的静かに闘志を燃やす選手が多い同志社BK陣に常に声を出して鼓舞することも彼の役割の一つです。今季はBKリーダーとしてキャプテンシーを発揮することも期待されています。

今季も素早いパスさばきで同志社の多彩な攻撃を支えてくれるでしょう。

一方、控えの選手はいささか不安が残ります。ここ数年、AチームのSHは大越、岩村選手の力量が抜けており、怪我などを除けばほぼ彼らがAチームでプレーをしていました。

そのため、他の選手はAチームでのプレー経験が不足しています。
この点、今後試合で経験を重ねていくしかありませんが、やはり多少の不安は残ります。

控えの一番手は三木章太郎選手でしょうか。大越、岩村選手の陰に隠れ注目されることはそれほど多くなかったと思いますが、的確なパスさばきを安定したプレーに定評のある選手です。

今季は大越選手同様4年目の最終学年です。大きく飛躍して、活躍してもらいたいですね。

また、3年目となる山田公佑選手にも期待です。
東福岡高校では1年時から控え選手に名前を連ねるなど期待の高かった選手ですが、東福岡が全国3冠を達成した時にも控え選手に甘んじていました。
大学に入ってからもやや伸び悩んでいる印象ですが、今季成長してもらいたい選手一人です。

さらに鑓水航選手や新谷泰一もAチーム入りを目指してもらいたいところです。

おそらく、秋の公式戦以降は大越選手が万全であればフル出場が濃厚ですが、それまでに他の選手も試合で結果を出し、存在感を示してもらいたいですね。