2015年シーズン不動のLOとして活躍していたのは山田有樹選手です。
山田選手は常翔学園高校出身で3年次には主将として冬の全国大会制覇を牽引した選手の一人です。
2016年シーズンは同志社ラグビー部の新主将となります。新シーズンでは選手としてはもちろんのこと、主将としてチームのまとめ役としての重責も担うことになります。

高校で全国制覇した時には決して圧勝続きでの優勝ではなく、度重なる接戦を制しての優勝です。来季はこの経験を生かしてもらいたいものです。

同志社は全国大会では関東の強豪チームに対しすこぶる接戦に弱く、7点差以内の勝利はここ何十年もありません。

以前にも書きましたが同志社は関東の強豪チームたいし7点差以内の試合はことごとく負けています。
2014年度は早稲田に1点差、2011年度は帝京に6点差で敗れています。
早稲田戦では試合を優勢に進めながらもトライをとるという方針を貫き敗れています。

当時大学選手権3連覇を狙っていた帝京戦では終盤までリードしていたものの終了間際、ダイレクトタッチのミスからトライを奪われ逆転負けをしています。

同志社はとにかく勝負弱い。
この長年続くこの勝負弱さをすぐには覆すことはできないかもしれませんが、山田選手がその流れを変えてくれることを大いに期待しています。


山田選手は180センチ95キロと決して大きな選手ではありません。
大学のLOであれば、少なくとも185センチ以上はほしいところですし、帝京や明治のように190センチ超のLOを複数人抱えることが理想でしょう。
同志社のチーム事情もありますが180センチのLOというのは他チームと比べてみても最小の部類に入ります。
LOの役割といえば、なんといってもマイボールラインアウトでのボールキープがまず浮かびます。

2015年シーズンまでは190センチの森山選手が長年ラインアウトの軸になっていましたが、森山選手も今季で卒業です。同志社のラインアウトは乱れることが多く、安定しないラインアウトにやきもきすることは1度や2度ではありません。
この点、来季もっとも不安となりそうなことの一つです。
山田選手はラインアウトでの中心選手としての役割を期待することは難しいかもしれませんが、スクラムやフィールでのプレーは大いに期待できます。

LOのためスクラムで目立つことはありませんが、1年目から出場していることを考えると前に出る力は相当なものなのでしょう。

またフィールドプレーはまさに秀逸な仕事人です。
ボールを持って華麗に走りきるシーンはほとんど見ることはありませんが、愚直にボールを追いかけ、倒れてもすぐに立ち上がり次のプレーに備えています。

ディフェンスをなぎ倒し手前に出る強さも、相手を巧みにかわす上手さもあるとはいえませんが彼の存在はチームに落ち着きをもたらしていますし、同志社にとって不可欠な存在です。
来季もいぶし銀のプレーで観客も魅了してくれるでしょう。

ただ、トップリーグなど将来的なことを考えるとHOあたりへの転向がベターなのかもしれません。
卒業してトップリーグでプレーするかどうかは不明ですが、ぜひともトップリーグでもその雄姿を見せてもらいたいものです。

山田選手は主将のため、怪我などがなければフル出場する可能性が高いですがリザーブ候補は朴成脩、野中将悟選手あたりでしょうか。
いずれも190センチ近い長身プレーヤです。来季はAチームでしっかりと経験を積んでもらいたいですね。

また、来季は高校日本代表、筑紫高校堀部直壮選手も加入予定です。190センチ80キロとまだ体はできていないようですが、近い将来LOの中心選手になることが期待されてます。大学でのフィジカルの強さに適応できれば意外に早くAチームでのプレーが見られるかもしれません。

とにかく山田選手にはチームの要として同志社復活を導いてもらいたいです。



◆1989年以降7点差以内の敗戦

1989年度 大東文化 17-19 ●

1992年度 関東学院 10-14 ●

1998年度 明治    15-18 ●

1999年度 慶応    19-25 ●

2002年度 帝京     24-26 ●

2003年度 早稲田    33-38 ●

2007年度 筑波     20-25 ●

2011年度 帝京    12-18 ●

2014年度 早稲田   17-18 ●

2015年度 大東文化 31ー33