10月18日の立命館大学戦は22-15で辛勝したものの、今後の戦いにますます不安を残す試合となりました。

同志社のメンバーを見れば才能豊かな選手が並んでいます。今季ライバルと目されている天理大学以外には無難に勝つだろうという目算はあっさりと崩れています。

何が問題なのでしょう。

個々の選手の能力を厳密に数値化することはできませんが、大まかに数値化してそれらを積算することはできます。
おそらくそれらを積算した値では関西では天理をおさえてトップでしょうし、天理以外とは結構な差があるはずです。

ラグビーにも攻撃や防御のシステムも当然存在しますが、個々の選手の能力が直接的にチームの実力となりやすく、比較的実力通りの結果が出やすいスポーツです。

しかし、開幕戦の近大は敗戦、関大戦も内容的にはもう一つ、立命館には負けてもおかしくない試合をしています。
監督や選手はここまで苦戦している明確な理由が分かっているのでしょうか。おそらくはよくわかっていないのだと思います。

現在監督の考えるベストメンバーは以下のようになりそうです。
FWはPR海士、才田、HO東、LO森山、山田、FL末永、野中、NO8秦。
BKはSH大越(岩村)、SO渡邉、CTB12石田、CTB13林、WTB11安田、WTB14松井(高野)、FB崎口。
FWは攻守の要の一人末永選手が怪我で離脱、BKの松井選手はセブンズのため当面チームに合流できません。それでも戦力的には充実しています。

東、森山、崎口選手を除けば、高校日本代表(候補)やU20日本代表(候補)、セブンズ代表(候補)に選ばれており、関西屈指の才能集団となっています。

多くの才能のある選手を抱えながら、これまでの戦いでは彼らの能力が十分に発揮できているとはいえず、チームとしてうまく機能していないことは明らかです。

近年の同志社はFWである程度優位に進め、BKで細かいパスを繋ぎながらチャンスをうかがう展開ラグビーを志向しています。
山神監督1年目はディフェンスをある程度犠牲にしても攻撃的な展開ラグビーをしていました。
2年目の昨シーズンはディフェンス強化にも力を入れ、攻撃的なBKとともにディフェンシブなチームを目指してと思います。

今季は山神監督就任当初下級生だった選手の多くが主力として成長しており、監督の信念やイズムのようなものも浸透してきているはずです。
攻撃、防御のシステムも3年目をむかえそろそろ成熟してくるころです。
しかし現状では成熟するどころが、むしろ混乱を深めてきているように感じています。

これは一体どういうことなのでしょうか。

推測の域を出ることはありませんが、システムもしくは規律を守ろうとするがゆえに、攻撃、防御共に窮屈になっているように思います。

ミスやラインブレークなどで組織的なディフェンスができない、いわゆるアンストラクチャーの状態になった時に簡単に失点する傾向をここ数年改善できずにいます。
このことは想定していた事態には対応できても、想定外の状態に陥いると途端に対応できなくなっていることを示唆しています。

この理由の一つに今の同志社の選手は優等生タイプが多いことが考えられます。
これは現在のAチームメンバーとリザーブ高校時代、主将だった選手が多いことも関係がありそうです。

続きは次回に。